会社概要:
今期50周年を迎える業務システムのパッケージソフトウェアメーカー。自社オリジナルソフト「名人シリーズ」を主力とし、受発注や伝票帳票発行など物流業に強みを持つEDIシステムのほか、PCブラウザやアプリ、メール操作などを自動化するRPA製品の開発〜サポートまで全般を担っている。
運用体制:
RPAカスタマーサクセス部
- [課題]
・RPAを使いこなせないユーザーが増加→解約率増加
・新たなサポートを取り入れたい- [活用内容]
・既存コミュニティに相談コーナー設置
・月2回のオンラインイベント開催- [成果]
・解約率の改善
・コミュニケーションの活性化
当社は2020年度でちょうど50周年を迎えるソフトウェアを提供する会社です。「働く人に笑顔を」をモットーに、RPAツールやEDIシステムなどの開発・販売・保守・サポートを行っています。
伝票・帳票発行や受発注対応、荷札ラベル発行などの業務改善ツールで物流業界に強みを持っていた当社ですが、近年の働き方改革推進によりRPAにも注力。PC操作やWebサイト、電子メール操作を自動化するRPA製品をリリースし、現在約1,100の組織で導入いただいています。
コミュニティの運営はマーケティング部の大崎が提案しスタートしました。現在は小野の所属するRPAカスタマーサクセス部が主体となり運用中です。
現在当社では「名人+(Plus)」という名称でコミュニティを運営しており、RPA製品である「Autoジョブ名人」「Autoメール名人」のサービス利用者だけでなく、検討中の方やRPA開発に携わっている社員のコミュニケーションの場として活用しています。
将来的にはRPAに限らず、当社のソリューションを利用して下さっている幅広いお客様が参加できるコミュニティにしたいと考え、敢えてコミュニティ名からRPAというワードは外しました。
ここ3~4年の間にRPAツールのユーザー数は爆発的に増加しています。しかし同時に、RPAツールを導入していただいたお客様から「せっかく導入したけれど使いこなせない」というお声を聞くことも増えました。
RPAは比較的簡単なツールではあるものの、導入後のサポートが不十分だと解約率も高くなるのです。
当社ではカスタマーサクセスを設立し、導入後のSEに対する技術的サポートを実施するほか、RPA導入後3ヶ月は企業に伴走支援を行う「カスタマーサクセスプラン」を提供するなどの対策をしてきました。
しかし、さらなる解約率低減のためには新たなサポートを取り入れる必要があると考えたのです。
電話やWeb会議による従来型のサポートに加え、私達メーカー側だけでなくお客様側からも発信し、お客様同士のコミュニケーションを取れる場を作りたいと考えたことが、オンラインコミュニティに着目するようになったきっかけです。RPAは現在多くの企業が進出しているレッドオーシャンの分野であるため、新たなサポートサービスが差別化に繋がるのではないか、という思いもありました。
当社が10年近く実施してきているオフラインイベント「RPA研究会」にも課題を感じていました。開催は年2回、会場は東京や大阪のみであり、全国のお客様がイベントに参加できる場ではありませんでした。 さらには2020年2月~3月頃には新型コロナウイルスの流行が始まり、日本中でオフラインイベントが開催できない状況に。タイミングも重なり、本格的にオンラインコミュニティの導入を検討し始めたのです。
コミュニティ運営の手段としては、自社開発はもちろんFacebookの無料コミュニティなども考えましたが、スピード感をもってコミュニティを開設するならオンラインコミュニティツールを導入するのが一番だと考えました。
当社が調べた限り、オンラインコミュニティツールを専門に扱っている企業はcommmuneのみ。専門企業なら導入にあたってのサービスが行き届いていることと、高いノウハウを持っているであろうことを期待して、まずcommmuneに声をかけることにしました。
当社からコミュニティや機能に関する質問をいくつも投げかけたのですが、その時のレスポンスが非常にスピーディーで、こちらが不安に思っていることに一つ一つ親身になって応えてくれる姿勢に好感を持ちました。後に知ったのですが、当時担当してくれていたのはcommmune代表取締役である高田さん。熱い語り口と「お任せください」という頼もしい一言に、commmuneは信頼できるツールだと確信。他社に一切問い合わせをせず、commmuneに即決しました。
解約率の改善に手ごたえを感じています。「名人+(Plus)」を利用しているユーザーとそうでないユーザーを比較すると、前者は明らかに継続率が高かったのです。実際に解約率を算出したところ、当初掲げていた目標値である10%未満を下回る、7%という結果となりました。 ※2021年12月現在は3%台へ低減
「名人+(Plus)」で相談コーナーを設置したことが、解約率の低下に貢献したのだろうと考えています。コミュニティ開設前までは、RPAに関する疑問があってもどこに相談すればいいのか分からないユーザーさんが多くみられました。「名人+(Plus)」ができたことで、疑問はコミュニティの相談コーナーに投稿すれば解決する、というシンプルな経路が生まれ、ユーザーさんがストレスなくRPAを利用できる環境が整いました。
イベント関連でも良い結果が得られています。コロナ禍に見舞われたことで、RPA研究会は「名人+(Plus)」でのオンラインイベントに切り替えました。これにより開催頻度は月2回と大幅増。さらに1回あたりの参加人数を絞ることで、より密なコミュニケーションが取れるようになりました。
コミュニティ内の投稿は初期は当社によるものが中心でしたが、程なくしてユーザー同士の交流が始まり、手ごたえを感じたことを覚えています。ユーザーの間でオンラインコミュニティが当たり前のものとして浸透してきたのだと実感がわきました。
コミュニティの方針に賛同し、自分から自発的・積極的に投稿してくれるユーザーさんは重要な存在です。当社は初めてのコミュニティ運営を手探りで行っているため、ユーザーさん目線で感じている課題を投稿してくださったり、経験値の高いユーザーさんが他のユーザーさんの質問に進んで回答してくださったりする光景を目の当たりにしたことで大いに勇気づけられました。
当社とユーザーさんの距離もぐっと近づいています。プロダクトの新バージョンリリースに伴うユーザーテストの協力者を「名人+(Plus)」で募ったところ、何人も手を挙げてくれました。ユーザーさんの声を直接拾って製品改良に繋げられる貴重な環境ができています。
RPAの投稿の中に「皆さんはRPAのロボットにどんな名前を付けていますか?」という質問がありました。私達はRPAをあくまで業務改善のツールとして認識していたのですが、お客様にとってRPAはロボットであり、一緒に業務に従事する仲間のように感じられていたのです。私達メーカー側からは出てこなかった豊かな発想で、ハッとさせられました。さらに驚いたのは、実際にRPAに名前を付けているというお客様が次々と現れ、その質問に回答してくれたことです。投稿データの視聴率も非常に高く推移していました。
その後、当社ではRPAのステッカーを作成し、コミュニティ内で希望者に配布することにしました。現場ではRPAが入っているPCにステッカーを貼り、名前を付けてご利用いただいています。当社サービスがより親しまれる良いきっかけでした。
私達はコミュニティ運営以外にも様々な業務を抱えています。そのため時にはコミュニティ運営に手が回らず、進捗が滞ってしまうこともしばしば…。commmuneのカスタマーサクセスは、コミュニティ立ち上げから公開、運営までのスケジュールを引き、率先してリードしてくれました。「いつまでに○○をやりましょう」と声掛けしながら伴走してくれたので非常に助かりました。
また、ユーザーの要望をキャッチアップしてからプロダクトに反映するまでのスピードが早いこともcommmuneの優れた点だと感じています。コミュニティ立ち上げ直後、commmuneが開催するミートアップ内で、機能改善に関する様々な要望を投げかけました。commmuneはそれらをことごとく、それもほんの数ヶ月という短期間で実装してみせたのです。同じITベンチャーとして非常に感心しています。
担当のカスタマーサクセスが毎月定例会を実施してくれます。知見を活かした提案や、他社事例を基にした成果分析は今後もぜひ積極的に行ってほしいと思います。私達が把握できるのは当然自社の情報のみなので、会員登録数の伸びや活用内容などを客観的に評価してもらえれば、今後自社がどう行動すべきか見えてきます。
コミュニティに新機能が実装された時のスピーディーな情報提供もありがたいです。新たな活用方法を見出す気づきにも繋がっています。
オンラインコミュニティツールは一度導入したからといって終わりではありません。コミュニティ参加者の行動はどんどん変容していくため、常にアンテナを張り巡らせる必要があります。そのため、commmuneを運用している他社の情報も発信してくれるといいですね。
「名人+(Plus)」を活用することでユーザーの解約率を低減できることは実証済のため、今後は当社のカスタマーサクセス活動におけるインフラとして位置づけていくつもりです。現在はナレッジベースという機能を用いてRPAの導入方法、開発の基本的な流れなどをまとめ、ユーザーの知識を増やす仕組みを作ることを検討しています。
ナレッジベースは上手く使えば、オウンドメディアとしても活用できるでしょう。マーケティングの視点から見ても、お客様への価値提供の幅を広げ、ビジネスの切り口を増やすことに繋がる可能性を感じています。
コミュニティの参加者も今後どんどん伸ばしていきたいです。コミュニティの有益さを知ってもらうには、ナレッジベースでどんな知識を集約しているか、どんな風に問い合わせに対応しているかといった実例を見てもらうことが一番効果的だと思います。現在もセミナーやCM、チラシで積極的に広報中です。よりコミュニティの魅力を打ち出していくことが必要ですね。
本資料の特徴は下記の通りです。
・ユーザックシステムが運営するコミュニティ「名人+(Plus)」内での取り組みを詳細に解説します。豊富な画像でコミュニティのイメージを直感的に掴むことができます。
・「コミュニティ導入を決めた理由」「コミューンでコミュニティを運営して得た効果」など、資料ならではの具体的な話も知ることができます。より立体的にコミュニティ運営を理解することができます。
購買後のお客様との接点維持・強化を実現している事例