※この記事は、2022年9月27日に開催した、ウェビナー『BASE FOODが語る 「D2C=顧客コミュニティビジネス」』の様子をまとめております。
登壇者情報
コミューン株式会社 杉山信弘(以下、杉山):コミューンでマーケティングの責任者をしている杉山です。まず、コミューンについてご説明します。コミューンは、企業向けのコミュニティサイトの作成・運用支援をしています。企業の皆様とお客様で商品を共創したり、コミュニケーションを生み出していったり、最終的にはLTVを上げるところに寄与していくサービスです。BASE FOODさんのBASE FOOD Laboもコミューンでご支援させていただいています。サービスとしては、顧客コミュニティに特化したプロダクトと、運営サポートの二軸で運営しています。
株式会社SUPER STUDIO 真野勉氏(以下、真野):SUPER STUDIOはecforceというECプラットフォームを運営しているD2C支援会社です。私は創業メンバーでCROという肩書きでアライアンスや営業などをしている真野です。ecforceを通じてECのトータルサポートをしています。ecforceは売り上げを伸ばしたり、コンバージョンレートを最大化する仕組みづくりをしており、中小企業から上場企業まで800ショップ以上が使ってくださっている継続率の高いサービスです。自社でも商品を作って売るという研究開発をしており、ecforceにまつわる機能を日々アップデートしています。コミューンを利用してecforce compassというBtoBのユーザーコミュニティを運用しています。
2022年9月時点
ベースフード株式会社 齋藤竜太 氏(以下、齋藤):BASE FOODで創業期から取締役CMOとしてマーケティングや営業、CRMなどを統括している齋藤です。BASE FOODは「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」というミッションをもとに設立した会社です。きっかけは代表の橋本がIT企業で働いていた時に仕事が忙しく体調を崩した経験から、仕事と栄養の両立が難しいという個人の課題や、少子高齢化で社会保障費の増大をどう止めるかという社会の課題を解決したいという思いでした。毎日食べる主食を完全栄養にしたら健康寿命が長くなり、社会保障費も下げられるのではないかと思い、起業した会社です。
2017年2月から完全栄養の主食*を販売開始し、2022年12月時点で累計販売袋数は8,000万袋、定期購入者は15万人を突破しています。
完全栄養食とは、栄養バランスが良いとされる和定食よりもさらにバランスのとれた栄養素が一食で摂れる主食です。ドリンクやパウダーは今までもありましたが、BASE FOODはパンやパスタといった主食をサブスクで届けているビジネスです。
商品は自社ECのサブスクでの販売がメインで、最近はコンビニやドラッグストアなどでも販売しています。
*1食で、栄養素等表示基準値に基づき、他の食事で過剰摂取が懸念される、脂質・飽和脂肪酸・炭水化物・ナトリウムを除いて、すべての栄養素で1日分の基準値の1/3以上を含む。
杉山:本日は3つのトークセッションのテーマを設定しています。
第1部:注力するユーザーの選定
第2部:事業成長のために測定する項目・測定方法について
第3部:コミュニティが生んだ価値の各社事例
第1部:注力するユーザーの選定
杉山:BASE FOODさんは事業のフェーズによって獲得・注力するユーザーが変わっていったと聞いています。
齋藤:創業から5年くらい経つのですが、フェーズごとにやっていることが変わっています。2017〜2019年くらいの立ち上がりの時期は、「完全栄養食」が「怪しい」「胡散臭い」というネガティブなイメージを持たれており、謎の宇宙食だったり、ディストピア的な扱いをされていました。その時はBASE PASTAしかなかったのですが、BASE FOODとして食品としての信用を得ること、ブランドとして認知を得ることに注力していました。当時はPRを積極的に展開し、例えば、凪スピリッツジャパン様とコラボしてベースラーメンを創作し「ガイアの夜明け」に取り上げていただいたり、メディア向けの試食会を実施したり、広告よりもPR活動を精力的に展開していました。獲得の比率も広告3、オーガニック7くらいでした。
投資家からも「LTVが高いユーザーは誰か」を問われていた時期で、ペインが大きいユーザーは誰なのかをヒアリングし、さらにユーザーコミュニティを活用しながら「食べ続ける理由」を探り、コアとなる層をを広げていきました。限られた予算の中で、LTVが高くCPAが低いトラックレコードを出し、資金調達へとつなげていました。
真野:PRのコラボは齋藤さんが考えて仕掛けたのですか?
齋藤:PRは私が担当していましたが、外部のパートナーと一緒にメディアキャラバンなどをしていました。凪様とのコラボに関しては、都内のラーメン屋に頻繁に食べに行きながら、BASE PASTAと相性が良いスープを探している中で出会い、是非お願いしたいと問い合わせフォームから連絡してコラボに至りました。
真野:最初はBASE PASTAの認知がない中で、どうやってコラボを実現したのですか?
齋藤:凪の生田様が熱い方で、商品もですがビジョン・ミッションに共感してくれたことが大きいです。初期にコラボしてくださる方々は大体、ビジョン・ミッションに共感してくださってコラボの実現に至りました。規模は小さいかもしれないけれど、自社が描く未来に共感してくれる人を探すということですね。
完全栄養食というのがキャッチーで情報に新規性もあったので、メディアからの受けは良かったです。
真野:何人くらいから次のグロースフェーズに入っていける、という感覚がありましたか?
齋藤:グロースに行くタイミングは、PRである程度の認知と信用が得られ、商品が美味しくなったタイミングです。BASE BREADが発売され、きちんとリピートされたり、口コミの品質が上がってきたのを感じました。PRの影響からも今までとは違う層が購入し始めたのが見えてきたのですが、その層に実際にヒアリングをすると、他の層にも共通に該当する悩みを聞くことができ、そのような悩みであれば広告投下で顧客を広げられると確信が持てたことで、次のフェーズに移りました。
杉山:立ち上がりとグロースで広告のクリエイティブも違うイメージがあるのですが、ユーザー像やペインの種類も大きく変わっていきましたか?
齋藤:「栄養バランス」がブランドのメインバリューになるので、ペインというかそれに対する問題解決はたくさんあります。立ち上がりの時は「完全栄養食ってすごい」「食べてみたい」という人や、「全ての食事を完全栄養食に置き換えたい」という極端な人が多く、男性のユーザーの方が多かったです。食べる量が多く、同じブランドを食べ続ける傾向にあるので、ターゲットも男性に注力していました。しかし、グロースフェーズでは女性の比率を増やしていきました。女性ユーザーの獲得においては、「ダイエット」や「タンパク質補給」という訴求がデジタル上でトラフィックが多い分野なので、そこを狙って広告投資を増やしていきました。具体的には、「ダイエット」や「ゲーム」、「オンラインの間食」の訴求です。この時はたくさんの人にインタビューし、多くの人が持っている共通のペインはどういうものなのかをLPを量産して検証していました。
また、BtoCではよくある悩みだと思うのですが、FacebookもGoogleもターゲットを拡張しない限り、CPAが限界に達してしまう。それをなるべく起こさないようにターゲットを拡張し続ける必要があります。BASE FOODではそれに加えて、オーガニック成長率を重視しており、自然に増えるユーザーが、解約するユーザーよりも多ければ定期購入で自立式に売上が増えていきます。そこで、ブランドを広めてくれたり、口コミを広げてくれるユーザーは一体どういう人で、どういう条件があれば友達に紹介してくれるのか、というのを検証しているフェーズが現在です。
杉山:友達を紹介してくれるユーザーはどういう属性か教えていただけますか?
齋藤:LTVが高いユーザーが友達を紹介してくれるというわけではありません。また、男性は食べる量は多いですが、あまり友達を紹介してくれません。一方女性はLTVが低く(食べる量が少ない)、ブランドスイッチもすることが多いのですが、友達紹介はしてくれます。LTVが高くて友達紹介をしてくれない男性と、LTVが低いけど友達紹介をたくさんしてくれる女性のバランスが重要なんです。女性の中でもどういう獲得の仕方をした人が友達紹介をしてくれるかというのもわかってきています。例えば、「ダイエット」軸の人は友達を紹介しにくい。なぜならダイエット商品を友達に紹介するのはちょっと失礼かも…という抵抗心理があるからです。一方、「時短」や「忙しいママのお助け」という話だと「友達を助ける」という文脈なので紹介しやすかったりします。また、トレイルランニングやフェンシングなどの競技をしているなど、特定のコミュニティ内で広めてくれるというパターンも多くあります。こういった友達紹介をしてくれて且つ、LTVも高い層がいるので、そういうところを一つ一つ見つけて広げていくというのが今のフェーズです。
真野:エンゲージメントの高いユーザー層というのはたまたま見つけたのか、会社側で見当をつけてアプローチしていったのか、どちらですか?
齋藤:BASE FOODはどちらかといえばユーザーから見つけることの方が多いです。当時は試食会にたまたま来ていたアスリートから友達を紹介してもらったり、SNSでBASEFOODを食べているアスリートを見かけたらすぐに連絡するということをずっとやっていました。仕掛けることもあるのですが、BASE FOODユーザーにアプローチしたほうが話が早いですし、ユーザーがアンバサダーになっていただいた方が違和感もありません。この辺りは後ほど詳しく説明します。
杉山:友達紹介をしている会社は多いですが、機能している会社は多くないのではと思いました。BASE FOODでうまくいった理由は他に何かありますか?
齋藤:友達紹介にはブランド認知が必要なので、ある程度このサービスを知っている、という状況を作る必要があります。またWebでの口コミが悪いと紹介もしにくいので、ポジティブな口コミがWeb上に溢れている状態を作るのが大事だと思っています。その状態の中で、ユーザーにお願いをしたり、インセンティブ設計として友達紹介の方が圧倒的にお得に買えるように設計にしたり、小売店よりも自社ECを安くしたり、そういった価格とインセンティブの設計をしていくことも重要だと思います。ただし、一番大事なのは友達を紹介しやすい状況をリアルでもオンラインでも作るということだと思います。
杉山:ポジティブな口コミが溢れているという状況を作るのが一番難しいと思うのですが、ユーザーへのアプローチの仕方や、検索以外にどうやってユーザーを獲得しているのか、ストック型資産を作っているのかを教えていただけますか。
齋藤:ポイントは4つあります。BASE FOODでは「ストック型」とは「蓄積されていく」という意味で使っています。とても時間がかかる施策ですが、例えば、「アンバサダー群」を構築しています。BASE FOODを気に入ってくれそうな人に対して、SNSで「商品を送るので気に入ったらアンバサダーになってください」という連絡と、ギフティングをする施策を2017年の創業時から続けています。その結果、5年で約3,000人くらいの方がアンバサダーになってくださりました。1日1〜2人増やすのを1,800日続けた結果です。お金で増やしたわけではなく、好意を持ってくれたアンバサダーが3,000人いるという状態がストック・資産なんです。その「アンバサダー群」により「UGCが生まれやすい状況を作る」というのが1つ目です。
2つ目は、「サービス改善文化の形成」です。これはコミューンさんを参考にしました。食品メーカーは改善をあまり表に出したがらないですが、BASE FOODでは毎月きちんと改善を報告していて、ユーザーから集めた声を元に商品もサービスもアップデートしており、5年間でサービス改善を229回、商品改善を61回行いました。メーカーは春と秋に商品をリニューアルするのが通例ですが、その通例に捉われずに改善を繰り返しています。
3つ目は「コミュニティーの構築」です。後ほど具体的にお話ししますが、「BASE FOOD Labo」には現在25,000人のメンバーが参加しており、コミュニティ上でかなり頻度も濃度も高いコミュニケーションが行われています。
齋藤:4つ目は、とても時間がかかったのですが、「ストック型としての独自販路の構築」です。今は実施していないのですが、他社様のオフィスにBASE FOODを置いていただく活動を展開していました。これは、すでにBASE FOODを購入してくださっているお客様が働いているオフィスに置いてもらうという形で、広告を入れずにレバレッジを効かせる試みです。また、小売店様との良好な関係作りを丁寧に構築してきたことで、2022年8月時点で約18,000店舗以上で販売されています。これも時間がかかる施策です。
齋藤:フロー施策はトップラインを急成長させられるのですが、模倣されやすいし、お金や代理店を使う必要があるので長期的に成長するためには危険だと思い、当初からストック施策をやっていました。「文化を作る」「アンバサダーを育成する」「コミュニティを運営する」「販路を構築する」など、時間はかかるけど模倣されにくいことに注力し、競争優位をいかに築くかが大事だと思います。
杉山:アンバサダー施策はみなさんチャレンジされると思うのですが、インセンティブなしで集めるのは大変ではないでしょうか。どういう方にお声がけしましたか?
齋藤:フォロワー数は2〜3,000人くらいからにしていて、条件は「BASE FOODの価値にマッチしそうな人」「共感してくれそうな人」と広めに設定しています。
齋藤:コミュニティでは、定期購入者meetup!を開催しています。2018年に1回目の忘年会を開催した時は、コロナ前だったので試食会や腕相撲大会で盛り上がりました。他にも、ダイヤモンド会員限定の工場見学や、今まで食べたBASE FOODの量をランキング化して発表するなど様々な取り組みを実施しました。コミューンを使った「BASE FOOD Labo」というコミュニティでは、BASE FOODを通じて食生活や栄養に関する情報を学び、新しい食文化を共創することを目指しています。会員は「研究員」と呼び、一緒に食のイノベーションを研究する仲間という位置付けです。「BASE FOOD Labo」では、BASE FOODを活用したレシピを共有したり、初心者がBASE FOODの活用方法を先輩方に聞いたり、毎月300人くらいが参加するBASE FOOD キャンプという30日間のダイエット企画の進捗共有をしたりしています。レシピは1日に30-40投稿あり、かなり活発に投稿されています。
齋藤:また、サービスの改善リクエストを募集し、反応が多いリクエストを優先的に改善し公開しています。コミュニティ内でその改善報告をすると研究員の方に喜ばれますし、その喜ぶ様子を見た社員もやる気がでて、もっとたくさん改善したい!など良いPDCAサイクルになっています。
第2部:事業成長のために測定する項目・測定方法について
杉山:フェーズによって変わると思うのですがKPIの測定について教えてください。
齋藤:プロダクトがどれだけ理想に近づいているかをトラッキングしています。BASE FOODの場合は、「おいしい・かんたん・からだにいい」を目指していて、この理想の形にどれだけ近づいているのかを見ています。商品満足度だけでなく、商品以外のサービス満足度、ブランド好意・ロイヤリティなども見ていて、最終的にこれが良くなれば全て変わるという前提で事業を進めています。
また、LTV/CPAの投資効率が一定の割合であれば広告を投下し、キャッシュと成長のバランスを見ながら進めています。具体的には、定期解約率、サブスク解約の先行指標になるスキップ率、辞めた後1年以内に再契約する定期復帰率を重要視しています。
広告は、LPのCVRやどれくらい予算があるのかを見つつ、オーガニックは、指名検索数、UGC数、友人紹介率、コミュニティMAUを重視して見ています。
杉山:定期復帰率は特徴的だと思うのですが、結構復帰しますか?
齋藤:1年で約15%くらい復帰します。辞める理由の多くは、商品に飽きたり、引っ越しが理由だったりするのですが、BASE FOODは頻度高く改善を繰り返すので、「美味しくなりました」「新商品が出ました」という訴求によって戻ってきてもらえることが多いです。BASE FOODを半年くらい続け、その後辞めてしまったことで食生活が乱れてしまったけれど、BASE FOODの手軽さを再認識して戻ってきてくださる人も多いです。
杉山:ユーザーの満足度や解約率のトラッキングはしていますか?
齋藤:商品の満足度、サービスの満足度はマイページに来る回数や頻度などを定期的にトラッキングしています。
第3部:コミュニティが生んだ価値の各社事例
真野:ecforceを利用しているBULK HOMMEさんの事例です。弊社の機能を使ってお客様向けにマイレージプログラムを組んでオリジナル商品を提供しています。このようなサービスはシステム上実現するのが難しいのですがecforceではできるので、これを実現したくて導入する会社もあります。
杉山:コミューンの場合、会社によってUGCの発生や顧客の単価向上、解約率の低下、来店回数向上など、価値創出がバラバラです。ビジネスモデルによって提供価値が変わるのでお気軽にご相談ください。
齋藤:BASE FOODは顧客アンケートが爆速で取れるようになったことです。企画から数時間で200〜300の回答を集めることができるようになったことが凄く大きな価値です。他には、「BASE FOOD Labo」加入者の定期継続率が上がったことや、アクティブ率上位200人の友人紹介数が4,000人を越えているのも特徴的です。つまり20人以上紹介した人が200人いる状態ということで、上位1%のユーザーが物凄く価値を生み出すというのを実感しています。CPA1万円だとしても4,000万円の価値を生み出しているということになるので凄いことです。ロイヤルユーザーのブランド好意度が高い状態になっているのも、いろいろな施策をやってきた結果ですし、コミュニティをやってきてよかったなと思っています。
齋藤:店頭への影響もあります。「みつけてベースフード」という、どこのファミリーマートでBASE FOODが買えるのかがわかるアプリには、商品が置かれていないファミリーマートの店舗を応援するという機能があり、取り扱いを希望することができます。このアプリから全国4,000店舗にリクエストが送られ、「もっと早く●●でも取り扱ってほしい」などの声により商談が進んだり、BASE FOODの定期購入者である店頭スタッフが本部にリクエストをしてくれてそこから導入が決まったり、リアルの場でもコミュニティやファンが繋がっています。
齋藤:最後に採用に繋がった事例なのですが、BASE FOODではユーザーの中から社員を採用することがあり、今まで20名以上を採用しています。
Q. 認知を拡大した後、トライアルからリピートに繋げるためにどういったことを行われていましたか?
齋藤:サブスクでトライアルを取るという戦略に移行しました。具体的には、最初からサブスクで20%オフで購入してもらうようにしました。理由としては、どちらでも商品自体は変わらないですし、すぐ食べてもらう方が価値を感じて貰えるからです。
Q. チームとしてどのようなマインドを大切にしていますか?
齋藤:最近転職してきた人に「BASE FOODの人ってユーザーをとても信頼してますね」と言われたのですが、基本性善説で動いています。ユーザーを信じて、情報をオープンにし、信頼関係を構築するというのがマインドとしてあります。
Q. 文化を作り替えていくという難易度の高いことをどのように進めていきましたか。徹底的に地道に種まきということでしょうか?
齋藤:文化はずっと一緒で、ミッションドリブンな社員が集まっているということが大きいです。元々BASE FOODはクラウドファウンディングから始まっているブランドなので、ユーザーとコミュニティを形成し、報告しながらやるというスタイルを軸としながら、その火を灯し続けるのが大事かなと思います。あとは、KPIが上がっていかない時でも最終的に良いプロダクトができたら状況は変わるので、地道な活動をやり続け、種まきをして、焦らないというのが大事ですね。
Q. ユーザーの方のコミュニティのアクティブ率・アクションの高さの要因はどこにあると感じていますか?
齋藤:一つは、BASE FOODを通じて自己表現ができるということです。BASE FOOD自体がカスタマイズの余地のある主食なので、それをどう料理するのかというのはユーザー次第です。
自分なりのアレンジ投稿をしたら参考にしてくれる人がたくさんいて、いいねやコメントがたくさん貰えるという体験が投稿というアクションに繋がりやすいのかなと思います。
真野:コミュニティ内のオンラインコミュニケーションはどのように行っていますか?
齋藤:コミューン内でコミュニケーションを行っています。
Q. 社内の人材マネジメントについてお伺いしたいです。御社の社員のモチベーションは非常に高いと感じますが、組織風土の醸成や採用、育成、評価、報酬などのなかで工夫しているものがあればお伺いしたいです。
齋藤:採用の強みはリファラルを中心にそれぞれ優秀な友人・知人を連れてくるのと、BASE FOODユーザーから選んでいるという点です。BASE FOODはフラットな組織で、社員は90名くらい(2022年12月時点)ですが、マネージャーは一人もいません。プロジェクトリーダーなどはいますが、みんな自律的で、主体的に動くのが大事というカルチャーです。評価は能力主義ではなく完全成果主義で、成果さえ出せば評価されます。
メーカーとして成果を出すには横の繋がりがすごく大事なので、リレーションを作れる人が成果を出し、結果として全体のモチベーションが上がるような仕組みになっています。
Q. サブスクではないリアル店舗での購入者と直接繋がるのは難しいと思いますが、何か力を入れていることはありますか?またリアル購入者の反応はどのように測定していますか?
齋藤:確かに難しいのですが、定期購入者でリアルでも買っているという人が3割くらいいるので、リアルでどういう考え方で買っているかということは聞けます。また、パッケージにQRコードをつけているので、他のリアルで購入した人にはそこからLINEの友達登録を促し、定期購入へのコミュニケーションをしています。
真野:QRコードからLINEに来るイメージが個人的にはないのですが、来る人はいるんですか?
齋藤:いますね。ただ、これは施策の一つであり、メインストリームではないです。あとは、そういった方々に対しては定期的に調査をし理解するようにしています。とにかくSNSを頻繁に且つ深く見るということだと思います。
Q. ベースフードさんはお客様用のフリーダイヤルがないと思いますが、要望や不満などはないのでしょうか?
齋藤:一時期電話を設置していたのですが、このペースでスケールする組織として、電話に関しては現時点ではやらない決断をしています。その分、メールやチャットでの問い合わせのスピードを早めていき、そこの満足度も90%以上となっています。現時点であまり不満はないです。サービス改善や不満はコミューンで拾って潰していくというのに全力を注いでいます。
Q. ユーザーとの距離が大変近い印象を受けました。試食会というワードもありましたがコミュニティがアクティブになる前にユーザーに対して行われている施策、意識しているポイントはありますか?
齋藤:最初に自己紹介をすると、ベテランの人からいろんなアドバイスや挨拶が返ってきます。アンケートをたくさん取っているので、自分が答えたものが商品になって出てくるという経験を一回でもすると、試食会などのイベントに更に参加してくれるようになります。最初は啓蒙やステップメール、ステップLINEを組むのも大事かなと思っています。
Q. アンバサダー3,000人というのは、途中でCPAが合わないインフルエンサーを切っていくこともあるのでしょうか?
齋藤:アンバサダー制度は、ブランドに共感してくれている人たちに、商品のサポートをするという形であり、お金の支払いは発生しないのでCPAという概念はないです。例えばアスリートに対して商品を供給してサポートしていますという形です。そのような方々をサポートすることに意義があると思っているので、途中で中断するということはあまりしていません。
Q. 休眠ユーザーの復帰施策に関しては、どのような媒体でどのようなコミュニケーションをとっているのでしょうか?
齋藤:メール、郵送DM、広告も実施しています。
Q. 友達紹介とオーガニックに注力されているとのことですが、現状の獲得割合は広告とオーガニックでどれくらいでしょうか。
齋藤:現状の数値は公開していないですが、広告の方が多いです。
Q. ターゲットの拡張をしないとCPAが限界に達するとおっしゃっていましたが、新しいターゲットの拡張はどのように検証していますか?
齋藤:毎回サンクスページで購入理由を聞いているのですが、そこに新たな層が入ってきたらヒアリングしています。例えば「BASE FOOD Labo」の中で「3〜5歳のお子さんがいらっしゃる方はいますか?」と募集しヒアリングし、その人たちのニーズが他にもありそうであればLPを作って検証するというのを繰り返しています。
Q. 予算が限られた立ち上げ時に利用された広告と、一番効果があった広告を教えて欲しいです。
齋藤:立ち上げ時は、Instagramのストーリーズ広告が始まった頃ですごく効果がよかったです。他は検索広告やGDNの良い面を押さえていくというのが効果的でした。アフィリエイトはベネフィットが価格訴求のパフォーマンス広告寄りになってしまうので、今はやっていますが最初のうちはあまりやっていなかったです。
Q. 休眠ユーザーの復帰施策、友達紹介で試して良かったインセンティブ、あまり良くなかったインセンティブがあれば教えてください。
齋藤:休眠ユーザーに対しては、「新商品が出たこと」「無料で試食できること」をお知らせすることが効果的です。友人紹介はキャンペーンでそれぞれ約2,000円もらえたり、得られるポイントの上限を増やしたり、たくさん紹介してくれる人にたくさん紹介してもらうための施策が効果が良かったです。
真野:面白いお話をありがとうございました。
杉山:本日はありがとうございました!
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コミュニティの管理保守はコミューン社が行うため、コミュニティ運営担当者様は、コミュニティに関わる戦略検討など前向きな業務に集中していただけます!
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