「使った分だけ支払いが発生する」従量課金。利用者にとって、価格の納得度が高く、コストパフォーマンスも良い課金方式と言えます。
水道料金や電気料金などの光熱費は従量課金であり、多くの人に馴染みがあるでしょう。
古くからあるビジネスモデルですが、昨今は「サブスクリプションモデル」の流行などもあり、注目を集めています。
今回は、従量課金の概要やメリット・デメリット、従量課金以外の課金方式についても詳しく解説していきます。
ユーザーのサービス利用”量”に”従”って、請求金額が変動する課金方式を従量課金といいます。主に、サービスの利用時間や回数、利用者数などに応じて料金が変動するものが多いです。
身近な具体例として、コインパーキングや高速道路、携帯電話の通信・通話料金などが挙げられます。
ビジネスにおいて、プライシングは非常に難しい問題です。もし毎月一定の料金を支払う設定にした場合、サービスの利用頻度が少ない月では、ユーザーに不満が生じてしまい離反に繋がる可能性もあります。
そこで、毎月利用した分だけ料金を支払ってもらう従量課金制を導入することで、ユーザーは、より手頃な価格でサービスを利用できるようになります。利用分以上の金額を支払うことがないため、ユーザーにとって納得していただきやすい価格モデルと言えるでしょう。
従量課金は継続課金の一つとして分類されます。
継続課金とは、契約を終了しない限り、継続して定期的に課金する方式のことを指します。
継続課金には「定額課金」「従量課金」「併用型課金(二部料金制)」の3種類が存在します。
従量課金に対する概念として、定額課金があります。定額課金とは、利用料に関係なく毎月一定の料金が請求される課金方式です。
継続的に購入する商品やサービスに適しており、身近な例としては、定額動画視聴サービスやジムやフィットネスの会員サービスなどが挙げられます。購入の度に支払いが発生するのが一般的な食品・飲料・雑貨・コスメなどの物販でも、ECサイトの定期配送などで、定額課金が導入されているケースもあります。
併用型課金は定額課金と従量課金を組み合わせた課金方式であり、二部料金制ともいいます。
利用料に関わらず一定金額が課される定額課金の部分と、利用料に応じて課金される従量課金の部分の二部構成になっています。
併用型課金の身近な例として電気代や一部のオンラインゲームが挙げられます。電気代は、基本料金が毎月一定額請求されるとともに、電気の使用量に応じて料金が変動する仕組みとなっています。
また、オンラインゲームに関しても、定額の会員料金に加えて、アイテムを追加購入すると料金が別途発生する仕組みのものが存在します。
従量課金は、課金される単位が使用量かユーザー数かによって2種類に区分されます。
使用量課金とは特定の機能を利用した回数やデータ量、アクセスできるストレージ量など、サービスの使用量に応じて課金される仕組みのことを指します。
ユーザー数課金とは、契約しているアカウント数に応じて課金される仕組みのことを指します。
しかし、なるべくコストを抑えようと一つのアカウントを複数人で共有する企業も存在するため、社内でアカウントを共有しても支障がないサービスの場合は、不適切な課金方式と言えるでしょう。
アクティブユーザー課金
ユーザー数課金を応用したアクティブユーザー課金であれば、アカウントが共有されてしまう問題にも対処することができます。
アクティブユーザー課金とは過去のログイン情報などを参照し、サービスを利用しているアクティブなアカウントにのみ利用料金が発生する仕組みです。アカウント自体は好きなだけ登録できるため、気軽にサービスを導入してもらいやすく満足度も向上する傾向にあります。
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価格に対する納得感を得られやすい
従量課金は利用した分だけ請求が発生する仕組みのため、お客様が利用料金に納得しやすい価格体系と言えます。特に、利用頻度が少ないお客様にとっては、無駄な料金を支払わなくて済むため気軽にサービスを利用しやすく、購買のハードルが下がるのが特徴です。
解約に繋がりづらい
サービスを利用していない間は、料金の請求も発生しないためわざわざ解約するメリットがなく、サービスを継続してもらいやすいという特徴もあります。たとえサービス利用の空白期間があったとしても、積極的な解約が発生しづらいため、一度獲得した顧客と長期的な関係を築くことが可能になります。
収益予測が難しい
単価が確定していない従量課金制は、収益を予想するのが困難です。使用量や金額が大きく変動するお客様も存在するため、収入に大きな波が発生する場合があります。
利用を控えられる
従量課金制は請求の上限金額が設定されていないため、たくさんサービス利用した場合、その分だけ高い金額が請求されることになります。そのため、ユーザーが支払い金額を抑えるために、利用を控えてしまう可能性があります。請求金額を気にしながらサービスを利用することに、ストレスを感じてしまうユーザーもいるでしょう。
従量課金を導入しているビジネスはさまざまです。ここでは、一部を紹介します。
運用型広告の広告料金
インターネット広告に代表される運用型広告は従量課金制です。運用型広告の多くは、クリック回数に応じて広告出稿料が発生します。
そのため広告出稿する側は、決まっている予算で効率的に広告を出稿できるようになっています。
オンラインショップでの商品購入
オンラインショップは購入した商品の手数料数%が、運営に支払われる仕組みとなっています。毎日利用するサービスではないため、定額課金よりも従量課金が機能しやすいサービスになっています。
携帯電話の通信・通話料金
携帯電話プランの中にも、合計通話時間や通信量により月々請求される料金が変動するプランがあります。これも立派な従量課金です。携帯電話は人によって使用量が大きく異なるため、多く利用する方は大容量の定額プラン、利用頻度が多くない方には従量課金など、個人に合った課金方式を用意するのが適切だと言えます。
クラウド型プラットフォームサービス
クラウド型プラットフォームサービスの多くは、基本料を無料とし、機能を追加で利用する際、別途料金が発生する従量課金を導入しています。ユーザーにとっては、コストを安く抑えることができますが、機能と費用のバランスを保たないと、使いにくくなる場合があるので利用し続けるには適度に検討することが大切です。
従量課金はさまざまなビジネスで導入されています。従量課金を取り入れることでサービスを導入するハードルが低くなり、解約につながりにくいという利点があります。
一方で収益予測が難しく、将来性が不明確な課金方式になっています。そのため、それぞれのビジネスやお客様に合った課金方式を提供することが大事でしょう。
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