「集客はある程度できたが、顧客の定着率が悪い…」「もっと積極的な反応をもらってサービス改善に活かしたい…」「他社の商品だとかなりクチコミされているのに、自社の商品だと…」
このように顧客のエンゲージメントにお悩みの方は多いのではないでしょうか?
近年、消費市場の縮小やユーザーのメディアパワーの高まりが叫ばれています。だからこそ、既存顧客と強い関係を築くことの重要性が高まっているのです。しかし、重要だとわかってはいるものの、いまいち本腰を据えて取り組むことができていない企業も多いはずです。
こうした企業の中で注目を集めているのがユーザーコミュニティです。ユーザーコミュニティはエンゲージメント向上に大きな効果を発揮します。
本記事ではコミュニティがエンゲージメントを高める理由について詳しく解説いたします。
「
また、積極的にポジティブなクチコミも発信してくれるでしょう。同じ立場である第三者からの評価は、商品やサービスに対する印象にとても大きな影響を与えると言われています。更に、口コミによる宣伝は広告費がゼロなので、圧倒的なプロモーション力強化につながるでしょう。
つまり、既存顧客の
▼エンゲージメントについてはこちら
エンゲージメントとは? - メリットから向上させる手法まで徹底解説!
近年、さまざまなビジネスシーンで
既存顧客維持の重要性を示す法則として
つまり、同額の売り上げを達成する場合でも、新規顧客に販売する方がコストが高くなり、利益率が低くなるということです。
また、
1:5の法則の通り既存顧客は販売コストが低いので、顧客離れをたった5%改善するだけでも利益に大きな影響が出るのです。
これら二つの法則から言えることは、新規顧客の獲得よりも、既存顧客の維持に目を向けた方が、より効率的に事業成長を遂げることができるということです。
基本的に多くの企業は、事業を成長させるためには新規顧客を増やす必要があると考えているでしょう。もちろんそれも必要ですが、新規顧客を開拓して売上を上げるには、既存顧客に販売するよりも5倍のコストがかかるということを知っておくべきです。
▼「1:5の法則」「5:25の法則」についてはこちら
「1:5の法則」「5:25の法則」 とは?メカニズムから実用の注意点まで徹底解説!
それでは
その中で、近年注目を集めているのがユーザーコミュニティの構築です。国内でも多くの事例が存在しますが、よりコミュニティが浸透しているのが海外です。
北米を中心にコミュニティツールを提供するVanilla Forumsより発表された「コミュニティ施策に関する経営者へのアンケート調査の結果」によれば、多くの企業がオンラインコミュニティによって顧客エンゲージメントを向上させていることがわかります。
・「自社ブランドコミュニティ」においては38.6%の顧客のエンゲージメントが向上
・「専属のコミュニティマネージャーを有する自社ブランドコミュニティ」においては48.9%の顧客のエンゲージメントが向上
※出典:
▼日本語訳はこちら
オンラインコミュニティが企業にもたらす利益とインパクト -日本語訳-
では、どうしてコミュニティはエンゲージメントの向上につながるのでしょうか?
ユーザーコミュニティであれば、ユーザー同士がインタラクティブにコミュニケーションを取ることができます。自分と同じ立場のユーザーと交流する場があることで、
サービスや商品に関してわからないことがあるとき、誰に聞くのが相応しいでしょうか。マニュアル的な内容であれば、企業のヘルプサイトを参照したり問い合わせをしたりするのが相応しいでしょう。
しかし、具体的な活用方法や実際の成功事例のような、マニュアルには収まらない内容の場合、現場感に即した貴重な情報を持っているのはユーザーではないでしょうか。日々使用するからこそ生まれる工夫や、蓄積される知見があるはずです。特に、活用難易度の高いサービスや、活用の幅が広いサービスの場合は、その傾向が顕著でしょう。
正解のない領域であればあるほど、”ディスカッションする”相手として相応しいのはユーザーと言えるのです。
例えば、民泊のホストとゲストを結ぶマッチングサービスを提供しているAirbnbは、コミュニティと共に成長してきたと言われているほど、ユーザー同士の助け合いが活発化しています。
ゲストの体験をより良くするための方法は、なかなかルール化・マニュアル化できるものではありません。だからこそ、ユーザー間で教え合うニーズが大きいのです。以下のような投稿は、まさにコミュニティだからこそできるものではないでしょうか。
投稿:
「ゲストがスティック型コーヒーを飲まない...みんなどうしてますか?」反応:
「インターナショナルブランドにすると飲む方が増えますよ!その国でしか売っていないブランドは不安がられて手を付けないことも...」
「そもそもコーヒーなどよりキットカットなどのお菓子とかのほうが喜ばれるかもしれません」
「韓国だとスティックコーヒーは甘いものを飲むことが一般的。ブラックだと人気がないのでは?」
また、コスメのセレクトショップを世界27カ国で展開しているSEPHORA(セフォラ)も、コミュニティをうまく活用し、ユーザーの購買を後押ししています。
化粧品は「自身の希望や肌の特性などの個別条件」に対して「膨大な商品数」の中から選ばなくてはならないため、選ぶのが大変難しい商材です。そこでSEPHORAでは、EC上の商品レビューとは別に、気軽にQ&Aができるコミュニティを設けることでお客様同士で化粧品選びをサポートしあうことを可能としています。
コミュニティで自身の希望や肌タイプ / 悩みなどを投稿すると、似た悩みを持つ方がオススメの商品をレコメンドしてくれます。他にも、過去の投稿から自分と近しい悩みを持つ方の投稿を参考に、コスメを選ぶことができます。
このように、コミュニティで相互に知識や経験を教え合えるからこそ、利活用の度合いが高まり、
▼Airbnb / SEPHORAの事例についてはこちら
【Airbnb】ユーザー同士でディスカッション!貴重な生の声を聞くことができるコミュニティ!- 海外コミュニティ事例集 Vol.1
【SEPHORA】コミュニティユーザーは一般ユーザーの10倍購買!- 海外コミュニティ事例集 Vol.6
ユーザー同士の交流は、実務的な価値を生むだけではありません。同じ立場のユーザーだからこそ、良さや難しさ、悩みを共有することができます。
格安スマホ(MVNO)を提供しているmineoは、他社と差別化を行い選ばれる存在になるために、「機能的価値」を越えた「好きだな」「楽しいな」「安心だな」という「情緒的価値」の提供が必要だと考えました。
そこでmineoのサービス開始から約半年後に、コミュニティサイトの「マイネ王」を立ち上げ、日々のユーザー同士の交流やイベントの開催、ゲーム企画の実施などを行いました。
コミュニティではユーザーの交流が積極的に行われており、どんな時間帯でも、質問を投げ掛ければ誰かが答えてくれる状態だと言います。総回答数は1万件以上にのぼり、コールセンターや電話での質問対応も含めて、全体の約1割の質問がコミュニティに寄せられています。また、ユーザーが欲しいアイデアも積極的に投稿されており、これまでに4,500ものアイデアが寄せられ、その1割がすでに実現しているそうです。
こうしたオンラインでの盛り上がりはオフラインにも繋がっており、mineoの今後についてディスカッションしてもらう「オフ会」は、これまで全国各地で30回以上開催されてきました。また、長期利用者向けの「王国イベント」、ファン同士がつながり楽しめる「ファンの集い」(70〜100名ほど)といったオフラインイベントもあり、交通費は自費ですが毎回遠方から参加してくれるユーザーもいるそうです。
※参考:「
これほどまでに活性化した理由について、コミュニティ担当者は「困っている人がいたら助けてあげよう、何かできることがあるかな、助けてもらったら今度は自分も誰かを助けてあげよう...という空気感がコミュニティ全体のベースにある」と語っています。
助けてもらった人は、今度は自分が助けてあげようという気持ちが生まれます。また、助けてあげた人も、貢献できたという実感が生まれ、またさらに助けてあげようという気持ちになるのです。こうした気持ちは、コミュニティ内で伝播します。
そして、次第にコミュニティに所属していることが価値に感じられるような、帰属意識が生まれてくるのです。
こうした助け合いの気持ちが最も表れているのが「フリータンク」という制度でしょう。ユーザー同士が余ったパケットを仮想タンクに貯めてシェアし、足りなくなったら引き出せるというものです。
実際の利用者は全体の1〜2割程度ですが、それでもこのサービスが存続しているのは、「フリータンク」という制度自体に共感し、コメントしたりパケットを寄付したりしてくれるユーザーがたくさんいるからです。
こうしてユーザーの情緒的な価値に注目し、
▼mineoへのインタビューはこちら
格安スマホ(MVNO)業界でオンリーワンになれた理由。 54万人が熱狂する、マイネオユーザーコミュニティの秘密!
コミュニティであれば、企業とユーザーの双方向のやりとりが可能になります。一方通行の情報提供ではなく、双方向の対話が可能になるので、距離感を圧倒的に近づけることができるのです。
例えば、情報発信一つとっても、一方通行のメルマガと、リアクションが取れるコミュニティ内の投稿では、親しみやすさが違うはずです。企業も、コミュニティの方がよりカジュアルな内容を投稿できるでしょう。
また、自分の意見に対して同じ回答をもらうにしても、メールでの返答と、コミュニティ内で企業担当者から直接言われるのでは、”受けて止めてもらえた感”が違うはずです。
さらに、コミュニティであれば、ユーザーを巻き込んだ企画も実施できます。このような特別な体験は、エンゲージメントの向上に大きく貢献します。
コミュニティによってファンとの距離感を近づけ、関係を深めている成功例の一つがカゴメです。
カゴメがコミュニティを立ち上げた理由は、熱心なカゴメファンに、よりブランドに共感し愛着を持ってもらうためです。コミュニティオープン前の2014年に顧客構造を分析したところ、上位2.5%の顧客が全体の約30%の売上を占めていることが明らかになりました。少数のヘビーユーザーによって支えられているという事実から、こうした顧客をより大切にし、エンゲージメントを高める戦略が必要と考え、コミュニティの開設に至ったのです。
そのため、カゴメはコミュニティを単なる宣伝や情報発信のサイトとして運営していません。設立当時からのブレない方針として、「ファンの方々と”つながりたい”」という想いのもと運営しているのです。
コミュニティでは、共感を得られたり、長期的な関係性が築けるようなコンテンツや企画が意識されています。 例えば、商品の機能面・栄養面の特徴や開発秘話といった深い情報だったり、カゴメの商品を使用した料理のレクチャーといった具合です。また、人気コンテンツが、トマトの苗を配る応募企画という点からも、長期的な関係性を重視していることがわかるでしょう。プレゼント以降も、栽培や収穫に関するテーマで繰り返しユーザーからの投稿が行われているそうです。
こうしてユーザーと距離感を近づけ、ファンの熱量を高めてきたことで、共創関係にまで発展しています。
例えば、現在、テレビCMやWeb動画などで流れているサウンドロゴは、コミュニティ会員の意見を募って制作したものだそうです。「カゴメを音で表すとどんなイメージか?」をコメントで募集し、寄せられた意見をもとに作曲家に制作を依頼しました。
※参照:「
コミュニティによって
ユーザーとの双方向のコミュニケーションができることで、より深くユーザーと向き合うことができ、親密度や信頼度を高めているのです。
▼カゴメへのインタビューはこちら
「KAGOMEらしさ」を追求したコミュニティ。ファンを中心に据えたマーケティング戦略に迫る
commmuneをご利用いただくことでエンドユーザー様のエンゲージメント向上を実現しております。事例をご紹介します。
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