海外企業ユーザーコミュニティ事例第9弾! 今回は、約6万人が参加するShopifyのユーザー向けコミュニティ「Spotify Community」を題材に、EC事業者のコミュニティの理想型について紹介します。
Shopifyは、グローバルで82万店舗以上を誇る、SaaSでオムニチャネルを実現したカナダ発のECプラットフォームです!日本上陸は2017年と比較的最近ですが、ユーザー基盤を伸ばしています。
13年間で世界最大級のECプラットフォームに成長したShopifyの強みは、「使いやすさ」と「ユーザーコミュニティによる充実したサポート体制」です。 Shopifyは、誰でも簡単にネットショップを開設・運営できるだけではなく、店舗ごとのニーズに応じて2,000以上のサードパーティ製アプリをオン・オフできる拡張性を備え、UI/UXをシンプルに保ちながら高い機能性を実現しています。また、約6万人が参加するShopify Communityでは、大規模なユーザーコミュニティが生み出すセレンディピティに加え、デザイナー、開発者、店舗設計、マーケティング等を専門とするShopify Partnerを「Shopify Experts」として認定、コミュニティに巻き込むことにより、販促に直結する専門的なアドバイスを受けられる体制を構築しており、店舗の継続的な売上増加に貢献しています。
Shopifyの主な収益源は2つです。
1つ目は、ネットショップオーナーからのサブスクリプション料金。
2つ目は、Shopify Payという決済プラットフォーム(オンライン決済及び実店舗用POSソリューション)からの収入で、取引が発生する度に一定割合がShopifyに支払われます。
近年は、特にShopify Payの売り上げに占める割合がサブスクリプションフィーに比して大きくなっており、売り上げの半分近くが決済由来という情報もあります。
ゆえに、収益性の高い店舗が増える事は、Shopify payの売上成長に直接繋がります。
しかし、プラットフォームだけを提供して、収益性の高い店舗が勝手に生まれてくることを待つのは博打ですし、かといって1つ1つの店舗を自社がプロデュースしたり専属のカスタマーサクセスを設置するのは単価とリソースの観点で非現実的です。 そこで、Shopifyはコミュニティタッチという店舗の相互サポート体制を選択しました。
Shopifyユーザーは、様々なディスカッションフォーラムに参加し、店舗開設前から先人の知恵を借りて自身の目指す店舗のあり方を模索します。
また、フォーラムの冒頭には「お知らせ」、「総合的なディスカッション」のトピックに続き、「ストアに対するフィードバック」の項目があり、ユーザー同士がお互いのネットショップに対して、率直な感想を伝えることができます。コミュニティによる共有知が生まれることで、各店舗のShopify利用度が向上し、結果として収益が生まれる構造になっています。
例えば、購入ボタンの配置が分かりづらい、商品タイトルをもっとシンプルにした方が良い、SEO対策をしているのにアクセスが伸びないのはこのワーディング足りないからだ、等。「ストアに対するフィードバック」の英語サイトでは、6万件ほどコメントが寄せられています。
ちなみに、日本語版「ストアに対するフィードバック」では現時点でまだ3件ほどしかコメントがついていません。日本でのサービスローンチからの歴史がまだ浅いこと / ユーザー数が多くないことも影響していますが、加えて、個人や団体が特定されうる(つまりは、責任を追及されうる)ユーザーコミュニティへの抵抗度合の違いも関係していそうです。
既に国内にはフラッグシップ合同会社や世界ヘボカン株式会社、コマースメディア株式会社などShopify Expert認定されている専門会社はありますが、Expert認定されている会社もそもそも少ないですね。
ユーザーコミュニティからのフィードバックを受け、ユーザーは自身の店舗のアクセス数やユーザビリティを向上させ、売り上げを伸ばします。結果として、Shopifyは、工数を増やさずに効果的に決済手数料収入を増加させることができていますし、収益性が高い店舗はShopifyへの依存度を高めていき、結果として
また、Shopify Communityには、レコグニション制度(認定制度)として、ベストソリューション、各種バッジの付与、ランキング制度を設けることで、ユーザーコミュニティの活性化と投稿クオリティの向上に成功しています。
ユーザーの質問を解決すると、ベストソリューションを獲得できます。ステータスで通算何個のベストソリューションを獲得したのかを確認できるので、解決者の実績につながります。また各種バッジを獲得すると、プライベートディスカッションにアクセスすることができ、専門分野を活かして他のユーザーを直接支援することができ、Spotify Expartの各企業にとっては格好のマーケティングの機会になります。
また、Shopify Partnerは、Expert認定の有無に関わらず、ユーザーコミュニティに積極的に参加することで自分の名前が売れ、結果として多くの支援案件を獲得する機会を得ます。
例えば、デザイナー系のパートナーであれば、デザイン関係のフォーラムに寄せられる質問に積極的に回答することにより、より本格的なデザインの依頼を受ける可能性を高めます。ちなみに、Shopifyのホームページによると、Partnerに寄せられるプロジェクトの平均単価は100万円程です。
このようにShopifyはうまくコミュニティタッチを活用することで、
と、3方よしを実現しているのです。
Shopifyのようにオンプレミスでユーザーコミュニティを作成することは大変な労力がかかりますが、Commmuneであれば開発不要でユーザーコミュティを構築・運用することができます。1ユーザーあたりの売上が限定的で、ノウハウが多岐に渡るECモールのようなサービスを運用されている事業者の方にとっては、ユーザーコミュニティの構築が
ぜひ一度Commmuneにお問い合わせください。
▼海外コミュニティ事例集一覧
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