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【イベントレポート】後半:BtoB企業におけるコミュニティタッチ ~オンラインオフライン横断でのコミュニティ形成~

2019年10月3日に「コミュニティタッチで深めるカスタマーエンゲージメント戦略」と題し、パネルイベントを開催いたしました。

当日は、コミュニティ施策を通じて顧客体験の深化に取り組む先行企業様をお招きし、知見や失敗談を共有していただきました。
今回は、その後半部分である「BtoB企業におけるコミュニティタッチ ~オンラインオフライン横断でのコミュニティ形成~」のレポートをお届けします。

【2部:BtoB企業におけるコミュニティタッチ~オンラインオフライン横断でのコミュニティ形成~】

・株式会社ABEJA カスタマーサクセス 丸田 絃心 さん
・株式会社プレイド Customer Experience Designer 平岡志織さん



Q.まずはじめに、どのような「コミュニティタッチ」を行っているか教えてください。

丸田さん:オンラインではフェイスブックコミュニティを運営しており、オフラインではmeetup等を開催しています。そこでは、ユーザー様間の情報共有が行われています。

さらに、オフラインイベントで学んだことを弊社やユーザー様がオンラインコミュニティ内に共有して、ユーザー様同士で学び合う循環を促しています。


平岡さん:KARTE Friends Communityという、コミュニティを運営しています。

ユーザーさんのことをあえてKARTE Friendsと呼び、フラットな関係を構築することで、運営側とユーザーとの距離を縮め、共創関係の構築を目指しています。

そこではユーザー同士のノウハウシェアも進んでおり、今後コミュニティを通じて様々な使い方をKARTE Friends同士が学んでいけるようにしていきたいです。

株式会社プレイド Customer Experience Designer 平岡志織さん

グリー株式会社にて広告販売に従事。その後株式会社Tryellにてオンライン内見サービスの販売、ファイブ株式会社にて*Moments by FIVEの立ち上げ及び販売に携わる。2017年プレイドに参画。

オフラインでは月一回の定期的なミートアップや週一回の分科会を開催しており、

そこでの参加者をオンラインコミュニティに招待し、オフラインとオンラインを連動させることでコミュニティの熱量を維持しています。



Q.BtoBでコミュニティ施策を行っている企業はまだ少ないですが、どんな問題意識に基づいてコミュニティを立ち上げましたか?

丸田さん:きっかけは弊社カスタマーサクセスが、全ての顧客に1対1で対応する方法では回らなくなってきたタイミングでした。

成功したお客さんが他の人に対して成功事例を伝えることで、何かしら問題解決に繋がるような仕組みが作れればと思ったのがきっかけです。

そこでたどり着いたのが、コミュニティタッチです。

株式会社ABEJA カスタマーサクセス 丸田 絃心 さん

学生時代にIoTシステムの研究開発に従事。卒業後、外資系投資銀行にて、アナリストとして様々なデータ分析業務に従事。広告代理店を起業し、広告プランナーとして販促企画の立案や実行を支援した後、コンサルティングファームにて、データドリブン経営の組織開発などを支援。ABEJAに参画し、ABEJA Insight for Retailにてカスタマーサクセスを担当。慶應義塾大学 総合政策学部 卒業。UC Berkeley, ESEC(Entrepreneurship Summer Extension Course)修了。

成功した顧客がコミュニティで他の顧客に成功事例を展開し、他の顧客が同様の取り組みをして下さることで既存顧客のサクセスにつながります。

また、口コミで他の顧客に「このサービスいいですよ」と伝えて下さればよりサービスを使って下さるきっかけ作りにも繋がります。

ツイッターやSNSで既存顧客がサービスを発信することで新規の顧客が興味を持ってコミュニティに入ってきて下されば、新しいお取引の機会にもつながります。

さらに、既存顧客が見込み客に成功事例を伝えるサイクルによって、導入後の顧客が成功イメージと活用案を持った状態でサービスを利用開始できるようになり、オンボーディングの期間短縮にも繋がりました。


Q. コミュニティには様々な顧客が参加されるかと思いますが、満足度を上げる上でコンテンツを分けたりなどの工夫はありますか?

丸田さん:基本的にABEJAは、プロダクトの複雑性が高くカスタマーのAIやインストアアナリティクスツールに対する成熟度が低いので、いかに使い方を学んでもらい、いかに店舗の売上につなげてもらうかを学習できる場として、コミュニティが存在します。

しかし、ユーザー様によってもサービスの活用度に差があるので、活用度がまだそこまで高くないユーザー様と、活用度が非常に高いユーザー様とで、イベントの種類を分けて開催したりしています。

ときには、成功事例や失敗事例を発表するような場や体験型コンテンツなどを活用したわかりやすいイベントなども開催してます。

平岡さん:現状のKARTE のコミュニティ(オンラインオフライン)ではカスタマーの成熟度毎に分けることはせずに、テーマ毎にイベントの登壇テーマを設定したり、オンラインコミュニティのカテゴリを設定しています。

基本的にKARTE Friendsの皆さんに自社の経験や施策をネタに登壇を行っていただいていますが、こだわっている部分は、施策が成功したかどうかは関係なく、ナイストライをしたかどうかという基準です。

カスタマイズ性の高いKARTEのサービス特性上でもありますが、企業の数だけ、さらに言えばKARTE Friendsの数だけ事例はあるので、敢えて共有するハードルを低くするように意識しています。


Q. オンラインとオフラインの施策の目的に違いはありますか?

平岡さん:オンラインとオフラインの両方を連動させて管理しています。

これまで開催してきた不定期のオフラインイベントでは困難だった、参加者との継続的な関係を構築することや知見のストック化という役割をオンラインコミュニティが担っています。

また、オフラインイベントにきた人を中心にオンラインコミュニティに招待しています。

今のフェーズでKARTE Friendsに何が刺さるかを常に模索し、オンラインコミュニティを、トライアンドエラーを高速に実施し学習する場として活用しています。

今後は、なかなかオフラインイベントに参加できない地方の人に対して、情報のギャップを埋めるためにオンラインコミュニティを活用していきたいと考えています。

丸田さん:ユーザー様は毎回必ずイベントに参加できるわけではないので、イベントごとのコミュニケーションのタイムラグを埋めるようにオンラインを活用し、情報共有していけることを目指しています。

また、次の図のような形でコミュニティによって力点を分けています。


Q. BtoBの会社だと、コミュニティのユーザー同士が競合になるケースもあると思いますが、問題はありませんか?

平岡さん:前提として、オープンな場であることに賛同してくれる人がコミュニティに入るようになっているので、問題や不満が発生したことは今までないです。

実際に、競合が登壇しているのをみて、そこから刺激されて登壇を希望した企業もあります。このケースでは、KARTE Friends同士がお互いを高め合える関係として認めていました。

しかし、相手方の状況を探り合うようなことも起こり得ると思うので、運営側が適切にマネジメントしなければいけないことも、今後はあるかと思います。

丸田さん:コミュニティ内のイベントに参加する前に競合に該当するような企業様の参加に対する可否を確認しています。多くの場合、競合企業様が参加していても問題になることはありません。

将来的な経営戦略に関わるテーマの情報共有は厳しいですが、過去の成功事例や取り組みに関するお話は具体的な数字を出しすぎなければ、経験を共有することを問題視するユーザー様は多くないのではないかと考えています。


Q. そもそもコミュニティ内での自社からの発信はどこまでやるべきですか?

平岡さん:会社とユーザーがフラットな関係で、近い距離にあることを認識してもらうために、自社から情報を細かく発信しています。

これによって、ユーザーの発信のハードルが下がり、コミュニティの活性化につながると考えています。

丸田さん:コミュニティはユーザー様同士のコミュニケーションが活発に行われていることが、良質な状態であると考えているので、その状態を目指していくべきだと考えています。しかし、実情としては、まだまだ自社からの情報発信が必要な状態ですね。



Q. 最後に、現在課題に思っていることや次に考えているステップについて教えてください。

丸田さん:課題としては、コミュニティの中でリーダーとして引っ張ってくれるユーザー様が不足していることだと思います。発信力のあるユーザー様がコミュニティ内のコミュニケーションを活発化して下さることを発端に、ユーザー様間の情報共有の量が増えることを目指しています。

ユーザー様には、もっと情報を発信していただきたいのですが、中には情報発信することに対して懸念している人も多いのではないかと考えています。こちらから具体的な働きかけをより行い、更にアクティブなコミュニティを目指したいと思っています。

平岡さん:オンラインとオフラインの施策をより連動させることで多くのKARTE Friends、さらにまだKARTEを導入していない潜在顧客層も巻き込んでいきたいと考えています。

また、今はまだまだ手探りな部分も多く施策を「まずやってみる」段階ではありますが、今後はコミュニティ内外のデータを分析し、社内全体を巻込みながら、再現性ある施策として仕組み化していく必要があると考えています。

Q.本日はありがとうございました。

丸田さん、平岡さん:ありがとうございました!!




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